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全日空モーターサービス株式会社 篠﨑 勇士さん - 航空業界専門の求人サイト「航空人WEB」

全日空モーターサービス株式会社 篠﨑 勇士さん

 

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GSE保守管理の精鋭集団 定時運航を正確な整備で支える

 

羽田空港にて、ANAのトーイングカーやパッセンジャーステップ車、除雪車など航空機の周囲で活躍する地上支援機材(Ground Support Equipment)のメンテナンスを担う。全国で約15,000台あるANAグループのGSEのうち、羽田空港の約3,200台に加え、地方空港の受託分約3,300台を整備・管理。車両機材は40種を超える。

 

 

 

Photos by Goda Masafumi Text by AIRLINE

月刊エアライン2024年2月号(12月28日発売)より転載

imatoki44 002整備工具は社内で共有のもの。レンチひとつとってもさまざまな大きさや形状がある。ランプでは工具を搭載した工作車が点検や整備をバックアップ。

異質だった「全日空」との出会い

子供の頃から車が好きで、機械を工作するのも得意だったことから4年制の自動車整備の専門学校へ進学した篠﨑さん。3年生になって就職活動をはじめた折、自動車業界の募集が並み居る中で「全日空」と航空会社の 名前を冠した会社が目に飛び込んできた。それが、全日空モーターサービス(以下、ANAMS)との出会いだった。  

 

「それまでは空港で働く車両の存在も知りませんでしたが、普通の車と形状も大きさも違う姿を見て、かっこいいなと感じました」


飛行機を牽引するトーイングトラクターや、貨物室への搭降載を行なうハイリフトローダー、除雪車であるデアイシングカーなど、航空機の周辺には運航をサポートするための地上支援機材(GSE=Ground Support Equipment)が活躍している。さらには乗客を輸送するバスやランプ内で使用する乗用車など、全国のANAグループの車両は約15,000台あり、ANAMSはそのうち羽田空港の約3,200台と地方空港の受託分約3,300台を整備・管理。整備1課と2課の約60名で、車両の定期点検や不具合が起きた際の整備作業を担当している。


「基本的には1台の車両の定期点検を1日かけて実施していますが、不具合が起きた場合には、そちらの対応を優先します。ランプ内で作業することもあれば、出張で地方の空港に行くこともあります」

 

imatoki44 003羽田空港に隣接するANAMSの工場では、さまざまなGSEが点検・整備を受けていた。作業工程では当然動かす必要もあるため、整備資格を持っている車両については、運転もできるという。

整備の向こう側に定時運航

ANAMSでは40種類を超える車両を扱っており、整備を担当するためには車種ごとに社内の資格を取得する必要がある。現在、篠﨑さんは8車種の資格を保有しているが、社内にはすべての車種の資格を持つベテラン整備士もいるという。


「車両ごとに、点検する資格と不具合対応ができる上位の資格の2つがあります。機内食を搭降載するためのフードローダーの上位資格を取得できたので、次はトーイングトラクターの上位資格取得を目標にしています」


他の車種の資格や上位資格の取得については、ある程度自身の意向も反映できるため、年間で計画を立ててスキルアップしていく。車両を理解し、その深度を高めることは、安全で正確な運航を支えるために必要なスキルだという。


「一番大事なことは、車両の確実な点検・整備と通して、航空機の定時運航を支えることです。GSEの中には、航空機とじかに接する車種もあるため、“ここが壊れたら運航に支障が出るな”という箇所は入念に点検し、不具合が出る前に部品を交換するなどの対策を徹底しています」


自分が携わった車両がランプ内で働いている様子を見る時などに、特にやりがいを感じると話す篠﨑さん。入社前、GSEは未知の世界だったが、今は車両整備を通して、自らも航空業界の一員であると実感している。


「入社した時に、飛行機1機を飛ばすのにこれだけ多くの人たちが携わっているんだなと知り、驚きました。自分もその一部に携わっているのはすごいことだと思います。ランプでそう感じてからは、工場で作業している時でも、その先にある運航のことまで意識できるようになりました」

編集後記


全日空モーターサービスは、今回紹介したGSE整備事業のほかに、搭乗橋(PBB)の開発・販売や保守メンテナンスも手がけており、羽田空港はもちろんのこと、地方空港においても運航を支える一翼を担っている。小さな頃から車に夢中で、車の整備士になる夢に一直線だった篠﨑さん。入社まで飛行機には特に関心がなかったというが、現在はGSEの整備やランプ内での作業を通して、大勢のプロフェッショナルがそれぞれの持ち場で安全運航・定時運航を支えている航空業界に愛着を感じているという。GSEというとグランドハンドリングのイメージも強いが、GSEとともに働きたいのなら整備士という道もあるのだ。

今回お話をうかがった方

全日空モーターサービス株式会社
GSE整備部 整備1課
篠﨑 勇士さん

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自動車整備の専門学校を卒業後、2018年に新卒で入社。入社後は整備部 整備 1課にて、GSEの点検・整備を担当。現在まで8車種の資格を取得。

 

【プライベート】

 やはり乗り物が好きで、休日は車、バイク、ロードバイクなどに乗る機会が多いですね。バイクは社内でも好きな人が多いので、休みを合わせて一緒にツーリングに行くこともあります。

 

【座右の銘

毎日楽しく

楽しく前向きな気持ちで取り組めばいい結果が生まれると考えているので、仕事でもプライベートでも楽しむことを心がけています。

     

 

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