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三愛オブリ 吉川瑞穂さん - 航空業界専門の求人サイト「航空人WEB」

三愛オブリ 吉川瑞穂さん

 

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航空燃料をはじめ石油製品を扱うエネルギー商社の三愛石油。今年、創立70周年を迎え「結びつける」という意味のラテン語の単語から造られたオリジナルの言葉「Obbli」を添え、「三愛オブリ」へと社名を改めた。同社のハイドラントシステム(航空燃料給油システム)を支えるエンジニアの仕事とは。

photos & text by Murata Takayuki

月刊エアライン2022年6月号(4月30日発売)より転載

imatoki31 001燃料は常時0.7MPaの圧力で給油ピットへ送られており、基地内のポンプや配管も日常的な点検が欠かせない。エプロン内は約300か所の給油ピットがあり、毎日の点検業務は約半日を要する。

Q:御社のご紹介と入社された動機について教えてください。

三愛オブリ航空事業部は航空燃料の給油や施設の管理・運営といった航空燃料取扱業務を行なっています。 羽田空港ではタンカーで運ばれてきた航空燃料の受入れ、貯油タンクでの貯蔵、地下に埋設されたパイプラインを通じて駐機場まで圧送する「ハイドラントシステム」を採用しており、その管理と運営を弊社が担っています。

 

また、三愛オブリグループでは全国27か所の空港で、航空燃料取扱業務のほか、給油施設の設計などのコンサルティングも行なっています。  クルマやバイクが好きな父の影響もあって、幼い頃から乗り物や機械に興味があり、大学は機械工学科に進みました。モノ作りやメンテナンスを学んだことで、施設管理や点検・修理に携わる仕事を中心に就職活動に臨みました。

 

そのなかで三愛石油(当時)のインターンシップに参加し、航空機の運航を支えるという業務の内容に興味を持ったことと、対応して頂いた先輩たちの姿を見て「一緒に働きたい」と思い、入社を志望しました。

imatoki31 002先輩社員とともに貯油タンクの塗装作業の進捗を確認する吉川さん。施設の修繕、施工管理や監督業務なども担当する。羽田のほか、地方空港への出張もあるという。

Q:ご担当されているのは、どのような業務でしょうか。また、航空燃料を扱う上での注意点や難しさはありますか。
羽田空港には容量8,000kℓから9,800kℓの貯油タンクが10基あり、地下パイプラインの総延長も約40kmに及びます。駐機場には給油バルブが収められたハイドラントピットが約300か所あり、こうした施設全般の定期点検やメンテナンス全般を担当しています。毎日、エリアごとに計画を立てて空港内のピットを点検しますが、雨水などが溜まりやすい場所もあるので、作業には水を吸い取る特殊車両で向かいます。さらに機器類の修理、貯油タンクの塗装やクリーニングなどの施工管理も受け持っています。最近では、社名変更に伴うタンクの再塗装での工程管理や、タンカーと桟橋上の配管を接続するローディングアームのオーバーホール工事を担当しました。また、地方空港での仕事もあり、先日は茨城空港のタンククリーニングにも携わりました。燃料をすべて抜いて作業を行なうので、事前のスケジュール管理も重要です。  
燃料を扱うので、漏洩・引火には最大限の注意を払って業務にあたります。また、水分やゴミが燃料に混入すると航空機のエンジントラブルに直結するので、これらを除去するフィルターや機器類の定期点検や作動確認も不可欠です。  
こうした理由から給油施設は点検周期が法令や規格により定められており、不具合が出てから直すのではなく、すべて”壊れる前に直す”予防修繕が前提となっています。こうした予防体制の成果もあって、これまで燃料漏洩などの事故は発生していません。
Q:働きがいを感じる瞬間や、将来の目標を教えてください。
安全に係る仕事なので、何事も問題なく稼働してこそ、私たちの点検・整備が確実に実施されている証明だと感じます。 入社2年目なので、まずは数ある点検業務を確実に身につけたいです。今後、ターミナルの増設や改修により、ハイドラントシステムが新設されることもあると思います。そうした際の作動確認や点検作業に対応できるよう、しっかりと経験を積みたいと思っています。

編集後記


「インターンシップはとても良い経験でした」と語る吉川さん。幼少の頃から乗り物や機械、空港が好きだったが、三愛オブリや航空燃料に関する仕事はインターンシップを通じて知ったという。「就活時の対応、先輩たちの人柄に惹かれた」という一言からも、しっかりとした教育体制や社風の良さが窺えた。ご担当される業務では、基本的に夜勤はなく、土日の休みが基本(担当する作業により、例外もあり)なので、週末はリフレッシュの時間に充てるという。また、敷地内の清潔さや整理整頓が行き届いた社屋も印象的だった。”一滴舌上に通じて大海の塩味を知る”ではないが、そんなところも安全第一な仕事の現れだと感じた。

今回お話をうかがった方

三愛オブリ株式会社
航空事業部 施設運営部 施設課
吉川瑞穂さん

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インターンシップを経て、2021年に新卒で入社。大学は生産工学部機械工学科を卒業した。入社後は、羽田空港の給油施設の管理・運営を行なう施設運営部に配属。同部署には吉川さんたち機械系担当が9名、電気系担当が5名在籍する。

 

【リフレッシュ方法】

羽田に住んでまだ1年なので、休日は多摩川沿いの散歩など、近所の散策を楽しんでいます。父の影響もあってバイクも好きで、学生時代はサークルに入っていました。ツーリングに出掛けるのも良い気分転換になっています。

     

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