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株式会社フジドリームエアラインズ 下村 智紀さん - 航空業界専門の求人サイト「航空人WEB」

株式会社フジドリームエアラインズ 下村 智紀さん

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コロナ禍でも修学旅行をはじめとする多くの遊覧飛行を実施し、リージョナルエアラインとしての存在感を見せるフジドリームエアラインズ。
今回ご登場いただくのは、運航乗員部 機長の下村 智紀さん。
安全・安心なフライトのために様々な部署がつないできた空のバトンを受け、アンカーとして走る。それが、パイロットの役目だと下村機長は語る。

photographs by FDA

月刊エアライン2021年4月号(2月27日発売)より転載

shimomurasanコクピットにて、機長席の下村さん(左)と、副操縦士の石川さん

Q:仕事内容を教えてください

 フジドリームエアラインズ(FDA)では1~2時間以内のフライトが多く、1日に2~4便の運航を担当します。フライト前には関連空港の天気や当該飛行ルートに影響を及ぼす悪天の解析、機体の整備状況やその他関連事項を確認し、最終的に搭載燃料を決定。

 離陸後は、実際の気象状況と出発時の気象解析を基にフライトを進めていきます。

 目的空港に到着後は、ほとんど息つく暇なく次のフライトの準備として高度・経路・燃料の決定に取り掛からなければなりません。最短の場合、30分後に次便が出発するので時間との勝負です。

Q:この仕事を志したきっかけはなんですか?

 伊丹空港の近くで育ったこともあり、気づけばいつも飛行機を見上げていました。それまでも漠然と航空業界に興味を持っていましたが、ボーイスカウト活動の一環として、シアトルでホームステイをした際、連れて行ってもらったボーイングのエバレット工場見学でスケールの大きさに圧倒され、それを機にパイロットという職業に魅了されていきました。

Q:日頃どういったことを心がけて業務に取り組んでいますか?

 「お客様に、より満足していただく」ことを常に考えています。ベース基地の県営名古屋空港は、ランプエリアから徒歩で搭乗していただく際に皆様の様子がよくわかりますので、ビジネスや観光といったシーンにあわせて機内アナウンスなどを工夫しています。

 また、定期的に知識をリフレッシュさせ、時代変化に取り残されないよう俯瞰の目で自己評価し、飛行管理につなげていくことも重要です。

 さらに、私たち乗務員が安全で安心なフライトができるのは、関係各署スタッフの皆さんが連携しあいながら環境を整えてくれているおかげです。そのバトンをもらい、アンカーとして最後に走るのが乗務員なのです。安全・安心は絶対で、さらに「お客様に、より満足していただく」ため、日々の能力向上は責務であると考えています。

letters「昨年、大阪の中学校でパイロットの仕事の講義をした際にもらったお礼状をはじめ、お客様からいただいた写真や手紙からいつも力をもらっています」

Q:今後の目標を教えてください

 まず一つ目はFDAをさらに日本の皆様に知っていただき、選んでいただける航空会社にしたいということです。84人乗りという小さな飛行機ですが、快適性やスピードは大型機にも迫る性能があります。むしろ小型旅客機という利点を活かし、地方と地方を結び、人と良質な文化の交流から地域活性化の一助を担うのがFDAの理念です。

 最近では、新型コロナウイルス感染症の影響で中止となった修学旅行の代わりとなる遊覧飛行も担当しました。今後はこれら非定期便の内容も充実させ、知恵と工夫をもって、いつでも身近で親しんでもらえるFDAにしていきたいと思います。

 もう一つは後進の育成です。これまで指導してもらった教官方への恩を返すためにも、これからの可能性を持つ後輩たち全員がFDAの機長となれるよう尽力していきたいですね。

Q:航空業界を目指す学生さんへ

 皆さん、出会いを大切にして下さい。私が今パイロットとしていられるのは、紛れもなく、支えてくれた人達のおかげです。夢のあるなしにかかわらず、まずは目の前の「山」に一生懸命になってください。一生懸命やっていれば、失敗しても必ず誰かが助けてくれます。上手くいけば、さらに新しい出会いが生まれます。そんな日常的な出会いが、皆さんの人生の宝物になると思うのです。この世界で皆さんにお会いできるのを楽しみにしています。

編集後記

 「お仕事のお客様が多い時は、定時性はもとより、ゆっくりお休みいただける快適性を意識したり、ご旅行のお客様が多い時は、空の旅も満喫していただけるよう機内アナウンスを工夫したりしています」と下村さん。気配りが行き届いたフライトは、まさに「お客様に、より満足していただく」というモットーそのもの。ボーディングからパイロットに見守ってもらえているとわかると安心しますね。

 さらに、下村さんは、新型コロナウイルス感染症の影響で危機に直面している航空業界に触れつつも、「力をあわせれば乗り越えられると信じています。この世界で皆さんにお会いできるのを楽しみにしています」と夢を追いかける学生にエールを送ってくださいました。

今回お話をうかがった方

株式会社フジドリームエアラインズ
運航乗員部 機長(乗員グループ チームリーダー)
訓練審査部 路線教官(訓練グループ)
下村 智紀さん

shimomurasan

2006年に国内エアライン入社。同社にて副操縦士発令、機長昇格を経て2015年フジドリームエアラインズへ転職。現在、機長、路線教官、CSリーダーを務める。総飛行時間、約9,700時間。

 

【リフレッシュ方法】

美味しいものを食べること。まとまった休みがある時は、キャンプやスノーボードに出かけます。とにかく自然の中で過ごすとリフレッシュできます。

 

【座右の銘】

一期一会

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