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朝日航洋株式会社 磯野 純平さん - 航空業界専門の求人サイト「航空人WEB」

朝日航洋株式会社 磯野 純平さん

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1955年の設立以来、「安全」を経営基盤とし、事業を展開する朝日航洋。「空にさきがけ 未来をひらく」という企業理念のもと、ドクターヘリをはじめ、ヘリコプターによる物資・旅客輸送、空撮、報道取材などの航空事業を手掛けてきた。
今回ご登場いただくのは、ヘリコプターの運航を地上から支える運航管理統括室の磯野純平さん。
より安全な運航のために必要な環境作りに注力している。

photographs by Fukazawa Akira

月刊エアライン2020年9月号(7月30日発売)より転載

aeroasahiもともと航空業界とは無縁だった磯野さんは、入社後フォネティックコードを覚えるところからのスタートだった。「空が好きなので、空を飛ぶものに関われているというだけで非常に嬉しく思います」

Q:仕事内容と1日のスケジュールを教えてください

 運航管理というと、エアラインのディスパッチャーをイメージされる方が多いと思います。我々も同じようにフライトプランを作成・管理し、飛行前に気象情報や航空機の運航に支障のある情報を集めて機長に説明するブリーフィングを行ないます。ヘリコプターがエアラインの航空機と違うのは、空港だけではなく運動場の広場や河川敷にも着陸するところです。そのためには航空局に離着陸の許可を取らなくてはなりません。そういった許可申請などの事務手続きも一手に引き受けています。

 運航管理業務はシフト制ですが、現職の勤務形態は9時から17時30分までです。運航管理業務を担当する日もありますが、基本的には社内の運航管理に関わるシステム改修をメインに取り組んでいます。今よりも運航管理業務を効率的に進めるためのシステムです。社内でどのように変更するかを話し合ったり、IT会社のシステムエンジニアと仕様の打ち合わせるなどして、改修を進めています。

Q:この仕事を志したきっかけはなんですか?

 子供の頃から空や雲を眺めるのが好きでした。気象に興味があったため、大学と大学院では気象学を専攻して山の天気を専門に学びました。もともと好きだった乗り物と、これまで勉強してきた気象学がマッチする仕事はないかと探していたところ、気象条件からルートや高度を選択し、フライトプランを作成する運航管理という仕事が航空業界にあることを知りました。さらにヘリコプターにも運航管理の仕事があることを知り、「ヘリコプターってちょっと面白そうだな」と興味を引かれて朝日航洋を選びました。

Q:日頃どういったことを心がけて業務に取り組んでいますか?

 自分の頭で考え、「本当にそれでいいのか、正しいのか」ということを常に自分に問いかけながら仕事をするようにしています。

 ヘリコプターはエアラインの定期便とは違って運航の内容が日々変わりますが、毎日仕事をしていると惰性的になってしまいそうになる瞬間もあります。そうならないように安全を常に意識して、自分自身に問いかけながら業務にあたっています。

 私たちは、実際に空を飛んでいるパイロットたちと同じ気持ちでキッチリ準備をして、その日を問題なく終われるよう安全に運航するという意識を全員で持って仕事に臨んでいます。

 

aeroasahi運航管理室の様子。この席からパイロットと無線交信を行なうなどして、担当ヘリの運航をバックアップする

Q:今後の目標を教えてください

 まず、個人としては知識を一層身につけ、様々な運航に対処できるようになりたいですね。

 また、朝日航洋ではヘリコプターだけでなくビジネスジェットも運航していますので、そちらのディスパッチャーの資格にも挑戦していきたいと考えています。

 組織の面で見ると、今、社会の情勢が色々と変わってきている中で、地上で運航を支える役割というものが重要になってきているなというのを日々感じています。保管書類の増加や飲酒対策の体制強化などにより役割が増える中、限られた人員で成果を出していかなくてはなりません。それを踏まえ、運航管理統括室として、効率化を考えた仕組みづくりにより皆が仕事しやすい環境を整えていきたいと考えています。

Q:航空業界を目指す学生さんへ

 航空の世界には、表から見えない仕事がたくさんあるんだということをこの世界に入ってから知りました。本当に多種多様な職種があるので、それぞれに合った仕事が必ずあると思います。ですので、見えている仕事だけではなくて、どんな仕事があるのかをキッチリとリサーチし、ぜひ自分に合いそうな仕事を見つけてください。そこに向かって、自分の強みを活かせるような将来を目指して頑張っていってほしいなと思いますね。

 

 

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☆Pick Up 磯野さんがいつも必ず持ち歩いているもの☆

 

仕事中は航空神社のお守りを持ち歩く。「自分はヘリに乗っていないぶん、安全に対する意識を忘れないようにずっと持ち続けています」。

編集後記

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「気を張り詰めすぎてしまうとパフォーマンスを最大限に発揮できないので、いつでも心の余裕を持つことが大切だと思っています」と座右の銘を体現したような柔和な笑顔で語った磯野さん。もともと航空関係には無縁で、入社時にはフォネティックコードもチンプンカンプンだったという驚きのエピソードも飛び出しましたが、7年目の今年は新入社員の教育担当を務められています。

「毎日違う運航をしていくなかで、それぞれの運航がうまくまとまって円滑にいくと達成感がありますね」と、運航管理のやりがいを語る姿が印象的でした。

 

今回お話をうかがった方

朝日航洋株式会社
運航統括部 運航管理統括室
東日本航空支社 運航部
運航管理第1グループ兼務
磯野 純平さん

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修士課程修了後2014年に新卒で入社。運航管理業務を経験した後、ドクターヘリと消防の防災ヘリの運航に特化した運航管理業務に従事。その後、東京ヘリポート内、運航管理統括室に所属。

 

【リフレッシュ方法】

運航管理の仕事はなかなか自席から動けないことが多いので、ホッと一息つきながらコーヒーを飲むひと時がリフレッシュになっていますね。また、自然の中に身を置くのが好きなので、休日には登山を楽しみます。一昨年には職場の愛好家たちと一緒に富士山にも登りました。

 

【座右の銘】

「笑う門には福来る」
運航管理の仕事柄、色々な人と顔を合わせて関わり合いながら仕事していくことが多くなります。しかめっ面で相手に接するよりは、和やかな雰囲気で笑顔で接した方がお互いにとって気持ちいいと思いますし、それが仕事がうまく進むコツではないかと考えています。職場でも強張っている顔の人には気軽に声掛けをして、雰囲気を柔らかくできるように心がけています。

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