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成田国際空港株式会社 向山 将成さん - 航空業界専門の求人サイト「航空人WEB」

成田国際空港株式会社 向山 将成さん

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成田国際空港株式会社(NAA)は、巨大空港成田を様々な分野から支える空港運営のプロフェッショナル集団。

今回ご登場いただくのは、広報部の向山将成さん。

ランプコントロールや航空会社への出向などの経験がある、航空会社の気持ちが分かる空港人だ。日々、成田空港のイメージや認知度向上のためのPR活動に取り組み、社内外の調整業務にあたっている。

photographs by Fukazawa Akira

月刊エアライン2020年8月号(6月30日発売)より転載

mukaiyamasan現在は時差出勤を取り入れた、9時30分~18時10分での勤務。会見に関する業務も担当しており、会見前はその業務を集中的に行なう

Q:仕事内容を教えてください。

 成田空港のイメージや認知度の向上のために広報活動を行なっています。首都圏の空港というと、最近は再国際化を果たした羽田空港に目が向きがちですが、成田空港も機能強化のため3本目の滑走路建設を予定しています。それが完成して初めて首都圏の航空需要を賄まかなえる体制が整うのです。そうした首都圏空港としての役割を正しく伝えながら、世界中に路線がつながる使い勝手のいい空港だという点も広くアピールできるよう、ウェブCMや広告をはじめとした広報活動を展開しています。

Q:この仕事を志したきっかけはなんですか?

 現在の県営名古屋空港の近くで生まれ育ったので、子供のころから飛行機を見る機会が多かったのですが、中高生の頃から航空業界へ憧れを抱くようになり、漠然と航空とつながりのある仕事がしたいと考えるようになりました。

 大学進学後に、月刊「エアステージ」で華やかな世界で働く男性CAの記事を発見。海外に住んでみたいという思いもあったため、外資系CAも視野に入れて就職活動をしました。同時に空港会社という存在に気づき、毎日「航空」という好きな分野で様々なことを直に見聞できる、身近に感じられる空港で働くことを意識するようになり、最終的にNAAへの入社を決めました。

mukaiyamasanNAA本社は成田第2ターミナルに隣接。メディアのアテンドなどでランプに立ち入る機会も多い

Q:日頃どういったことを心がけて業務に取り組んでいますか?

 広報は直接的に収益を生む部署ではありませんが、日々の業務にあたってはいかに成田空港の利益に資するかという点を意識しています。

 また、社内外にかかわらず、気持ちよく仕事を受けていただけるように説明・調整することを心がけています。時節柄、今は難しいのですが、メールや電話では伝わりにくいことを直接足を運んで説明するなどの工夫をしています。

Q:今後の目標を教えてください

 現職においては、成田空港のイメージや認知度の向上に引き続き注力したいですね。成田空港というと一般的には国際線のイメージが強いかもしれませんが、新型コロナウイルスの影響を受ける前には、24路線の国内線が就航していました。さらにLCCとLCCバスの移動を組み合わせることで安く気軽に旅行を楽しむこともできます。こうした利点を周知する一方で、将来、空港での働き手となり得る子供や学生に向け、成田空港に多種多様な職の選択肢があることも広めていきたいと考えています。

 私自身の目標としては、ランプコントロールや航空会社への出向によってターミナル内外から航空機の動きを勉強する機会を得たので、将来的にもそうした貴重な経験を活かしていきたいと思います。

 これは航空会社への出向経験から感じたことですが、航空会社にとってオペレーションしやすい空港になることが、結果的に旅客の満足にもつながるのだと思います。そういった地道な積み重ねが、「成田空港っていい空港ね」という声につながるのではないかと考えています。航空会社の気持ちが分かる空港人でありたいですね。

stationary出向先の航空会社スタッフからプレゼントされた文房具はロンドンから帰国後も愛用。イギリスでは2017年の全英オープンをはじめ、ゴルフ観戦やゴルフ場巡りが経験できたことも思い出深いという

Q:航空業界を目指す学生さんへ

 学生時代にCAを意識していた私ですが、NAAに入社し、航空会社に出向したことでCAの業務を間近にし、海外勤務の夢も実現しました。さらには管制官への憧れをランプコントローラーで実現することもできたのです。

 社会学には「予言の自己実現」という言葉があります。航空業界の中でどんな自分になりたいかを日頃から意識し、行動することは夢の実現に近づく道だと思います。

 今、新型コロナウイルスの影響で航空業界は大変厳しい時期を迎えていますが、この苦しみは絶対に活きる経験になります。アフターコロナでは自分たちの手で新しいスタンダードを作り上げることができるのです。苦しみが大きい分、喜びも大きい業界です。

 長い人生の中の1、2年は大きなロスではありません。航空業界で働きたいと思い続ければ、必ずその願いは叶うと思います。

編集後記

 NAAは全国で唯一、空港会社としてランプコントロール業務を行なっています。スポットの割り当てや飛行場面管理だけでなく、コクピットと通信してエプロン(ランプエリア)を走行する航空機の誘導までを担当しているのはNAAだけです。NAAで多種多様な職種に触れた向山さんは、「本当に職種が多いので、自分がなりたいと思った仕事に就いてからも、もっと楽しいこと、自分に合う職が見つかるかもしれません」と航空業界の広さと深さについて語ってくれました。

今回お話をうかがった方

成田国際空港株式会社
管理部門 広報部
アシスタントマネージャー
向山(むかいやま) 将成さん

mukaiyamasan

2007年に新卒で入社。総務部やCS推進部のほか、運用管理部で約5年間、ランプコントローラーを務める。2015年から航空会社へ出向し、うち2年はロンドン勤務を経験。2018年7月から現職。

 

【リフレッシュ方法】

最近はタンドリーチキンを作るなど、6歳と3歳になる娘たちと料理を楽しんでいます。また、ゴルフが好きなので、練習したりラウンドに出かけたりしています。自然に囲まれて普段の環境と違う景色を楽しむことでリフレッシュできます。


【座右の銘】

「地の塩・世の光たれ」

卒業校の建学の精神で、「人の役に立つ人間になりなさい」と理解しています。与えられた役割を全うし、いかにその組織のためになるかを意識することは社会に貢献するうえで大切なことだと思います。社会人になって10年以上経った今、無意識のうちにこの言葉に根差した行動をしている気がします。

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