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三栄メンテナンス株式会社 成毛 ロジェリオさん - 航空業界専門の求人サイト「航空人WEB」

三栄メンテナンス株式会社 成毛 ロジェリオさん

narukesan

昭和46年の設立以来、約半世紀にわたって成田空港の清掃業務を担ってきた三栄メンテナンス。

今回ご登場いただくのは、特掃部で現場の責任者として働く成毛ロジェリオさん。

業務の枠を超えたホスピタリティあふれる対応で成田空港CS Award 2019の年間グランプリを受賞。清潔で快適な環境づくりを目標に、高性能な清掃機材を駆使しして成田空港の衛生面を支えている。

photographs by Fukazawa Akira

月刊エアライン2020年7月号(5月29日発売)より転載

jalポリッシャーなど、高性能な清掃機材を使いこなす特掃部。22時から翌朝5時にかけて、空港内のテナントや航空会社事務所の定期清掃を手掛ける

Q:仕事内容と1日のスケジュールを教えてください。

 特殊な清掃機材を使う特掃部に所属し、成田空港の清掃を担当、夜には現場の責任者として何名かと現場に入って作業をしています。勤務時間は、基本的に午後の3時から夜の12時までです。緊急対応などがある場合は丸一日空港内で対応にあたることもあります。

 基本的には、テナントさんの営業が終わる夜10時以降に作業を開始。ポリッシャーという機械を使って床の汚れを落とし、その汚水を全部取り除いた後にモップで磨き、最後にワックスを塗ります。これは定期清掃として月1回程度のペースで行なっています。

Q:成田空港CS Award2019 年間グランプリを受賞されたんですよね。

 これまでCS Awardを4回受賞していますが、今回、2019年の年間グランプリとして表彰していただきました(編集部註:成毛さんは2013年冬、2014年春、2015年冬、2019年夏と4回、各シーズンのSeasonal CS Awardを受賞)。

 ある日、空港でテナントさんにアポイントメントを取った帰りに、ロビーのごみ箱の中を確認しようとしている外国からのお客様を見かけました。その少し前に指輪を失くしたお客様の対応をしたこともあり、なにか探しているのかなと思い英語で話しかけたところ、「パスポートと財布を失くした」ということでした。空港事業部の日常清掃チームに確認したところ、回収したごみ袋には該当品がない様子だったので、これまで立ち寄った店舗にあるのではないかと推測。お客様は買い物をした店舗の場所や名前の記憶が曖昧だったのですが、紙袋と購入品から店舗の当たりをつけ確認してみたところ、無事パスポートも財布も見つかりました。テナントさんの情報は常に頭の中にありますから、それが役立ちました。

 

※成田空港で素晴らしいサービスを提供した空港スタッフやCS向上に貢献したスタッフを表彰する成田空港CS協議会開催の制度。4半期ごとに開催する「Seasonal CS Award」とその受賞者の中から選考されるCS Award年間グランプリがある。

narukesanCS Award 2019 Summer授賞式の記念写真とともに。「色々な人と接するのがこの仕事の楽しいところ。たまたま私がそこを通りかかったことで、表彰してもらえるような結果になった」と成毛さん

Q:この仕事を志したきっかけはなんですか?

 ブラジルのベレンで生まれ、小学生の頃に日本に移り住みました。10代後半に再びブラジルに渡り、現地の大学を卒業。ポルトガル語、スペイン語、英語、それからフランス語とドイツ語も少しできるので、語学を活かして日本に帰国後は弁護士つきの通訳の仕事をしていました。

 その頃、成田空港で働こうと求人を探していた母が三栄メンテナンスに応募。当時は男性従業員の募集しかなかったため、「息子さんと一緒ならばいいですよ」という話になり、私も一緒に働くことになりました。

 空港のお客様は外国の方も多いですし、海外航空会社の事務所も現場のひとつなので、今の職場でも英語をはじめ、語学を活用する機会はたくさんあります。

Q:日頃どういったことを心がけて業務に取り組んでいますか?

 事務と現場、両方に言えることですが、任された仕事は最後までやり通すというのを目標にしています。

 テナントさんからは「こんな風にキレイにしてほしい」、「隅の汚れをもう少し落とせないか」といった様々な要望が寄せられます。そこは一所懸命、汚れが落ちるまでやります。お客様が満足いくまで清掃するのが私たちの仕事だと考えています。スタッフ全員が空港を支えるサービス業だと思っています。その中で、それぞれの個性を活かした対応を常に心掛けたいですね。

 

narukesan小学生の頃にゼロから身につけた日本語も、今ではポルトガル語と同等に自由自在に使いこなす。語学力を活かして、海外航空会社とのやりとりや空港内での声掛けも積極的に行なっている

Q:今後の目標を教えてください。

 空港の滞在時間が長くても短くても、お客様に清潔な場所で幸せな時間を過ごしてもらえるように、空港と協力して頑張っていきたいですね。

 今は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、三栄メンテナンスが運営する「成田空港温泉 空の湯」も4月24日現在閉館となっていますが、空港も空の湯も、事態収束後にいつでもお客様が戻って来られるように、日々消毒・清掃を欠かしません。再びお客様をお出迎えできる日のために、会社一丸となって頑張りたいですね。

Q:航空業界を目指す学生さんへ

 これは私が学んだことでもあるのですが、まず、自分に自信を持ってください。目標を持ち、様々なことに立ち向かってください。成功だけでなく失敗することも多いと思いますが、努力を続けて、お客様に素敵な対応ができるように頑張ってほしいですね。

 

game

☆Pick Up 成毛さんのリフレッシュ方法☆


小さな娘と一緒に過ごす時間が一番大切かなと思います。また、動画共有サービスにチャンネルを開設していて、ここ2年ほどアクションRPGゲームの実況をやっています。コメントをたくさんもらえるのでコミュニケーションの取り方も学べますし、リフレッシュになりますね。

編集後記

 生まれも育ちも日本なのかなと思ったほど流暢な日本語を使いこなす成毛さん。以前は正確に通訳できているのかナーバスになる時期もあったようですが、今は空港に訪れる様々な人と接することを楽しみ、日々学びながら仕事に励んでいるとのことでした。

 役員や社員の皆さんと笑顔で挨拶を交わしている様子からも、三栄メンテナンスの朗らかな社風やチームワークのよさが窺い知ることができました。こうした清掃のプロフェッショナルたちが清潔で快適な空港を支えているんですね。

今回お話をうかがった方

三栄メンテナンス株式会社
特掃部
係長
成毛(なるけ) ロジェリオさん

narukesan

ブラジルのベレン生まれ。三栄メンテナンスには2008年に派遣社員として2年間勤務した後、正社員として入社。特掃部に所属し、成田空港における夜間の定期清掃を担当する。

 

【座右の銘】

「人に会ってこその自分」

日本に来てゼロから色々な人に会い、育ててもらってここまで来られたと思っています。自分が人と出会って学んできたように、この会社に入ってくる人にも学んでもらえたら。そうやって会社を育てていけば、社内の雰囲気も丸くなって、いい方向に向かうんじゃないかと思います。常にこういう人間でありたいなと思っていますね。

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