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株式会社ジャムコ 吉井 悠貴さん - 航空業界専門の求人サイト「航空人WEB」

株式会社ジャムコ 吉井 悠貴さん

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ジャムコグループの新製品である標準型ビジネスクラスシート「Venture」が昨年6月、KLMオランダ航空の787-10でデビューした。ギャレーやラバトリーに留まらず、シート部門でも躍進を続けるジャムコ。
今回ご登場いただくのは、その最前線で働くプロジェクトエンジニアの吉井 悠貴さん。
エアラインや機体メーカーの希望するシートを技術的に実現するための調整業務に手腕を揮う。

photographs by Fukazawa Akira

月刊エアライン2020年6月号(4月30日発売)より転載

jamcoエアラインや機体メーカーからなにを要求されているか、その要求の背景にあるものはなんなのかを理解し、製品を正しい方向に導くのがプロジェクトエンジニアの腕の見せ所だ

Q:仕事内容と1日のスケジュールを教えてください。

 シート技術グループには実際に設計を担当するエンジニアと、私が所属しているプロジェクトエンジニアの2つの職種があります。

 プロジェクトエンジニアは、エアラインや機体メーカーと直接コミュニケーションをとりながら製品の設計仕様について協議を重ね、受注したプログラムを技術的にマネージメントする仕事です。お客さんからの「こういう仕様で設計してください」という要望に基づき社内の設計部隊と具体的な設計案を詰め、それをエアラインや機体メーカーに提示するということを繰り返してどんどんデザインをフィックスさせていく調整業務と言えばわかりやすいでしょうか。ひとつのプロジェクトに対し、ひとりのプロジェクトエンジニアがつきます。

 勤務時間は担当しているプロジェクトによって臨機応変に対応しています。例えば、朝早く出社してアメリカのボーイングや関連会社ジャムコアメリカとテレビ会議をすることもあります。

Q:この仕事を志したきっかけはなんですか?

 小学生の頃からずっと航空業界に興味があって働きたいと思っていましたが、その頃はエアラインのイメージしかありませんでした。

 大学では機械系を学び、業界研究をしていく中で、ものづくりの観点から航空業界に挑戦できるのがジャムコだと思い、その強みに惹かれて入社を決めました。就職活動の時にシートをやりたいと伝え、実際に入社してからもずっとシートの仕事を担当させてもらっています。

Q:日頃どういったことを心がけて業務に取り組んでいますか?

 何事に対しても自分の頭の中でしっかり考えてから物事を決めるように意識しています。

 シートには様々な法的要求があり、その認証試験に合格したものでないと航空機に搭載できません。それに加え、ジャムコが手掛けているファーストクラス、ビジネスクラスといったプレミアムクラスのシートはエアラインにとっては目玉商品、主力の商品になるため、機能性、快適性、さらには整備性や耐久性といったエアライン独自の要望が上がってきます。

 中には難しい要望もあるのですが、本当に求められているものはなにかという点を自分の中でしっかりと考え、消化してから技術提案することを心がけています。

 お客さんの要望に適うもので、かつジャムコとしても設計・製造しやすいWin-Winなかたちで仕様を決定できた時には達成感を感じます。なにより、自分の担当したシートが空を飛んでいることを考えると、やっぱりそこが一番のやりがいですよね。

jamco日本の航空業界において、ものづくりでエンドユーザーにつながる仕事ができる企業は限られている。「ジャムコならそれが可能。そこが魅力」と語った吉井さん

Q:今後の目標を教えてください。

 このままプロジェクトエンジニアを極めたいと思っているので、これからも色々なプロジェクトを経験して、様々な側面からシートの設計開発に関する知識や経験を蓄えていきたいと思っています。信頼関係が大切な仕事ですので、お客さんから「吉井に任せておけば大丈夫」と思ってもらえるようなプロジェクトエンジニアになりたいですね。

 2019年の夏に初めて就航した「Venture」シートのプロジェクトで得た経験を踏まえつつ、これからのシート事業を持続的に発展させていき、より多くのお客さんにジャムコのシートを使ってもらえるように、グループ全体で頑張っていきたいと考えています。

 ジャムコといえばギャレーやラバトリーというイメージは定着していると思いますが、今後は「シートといえばジャムコ」となるようにできたらうれしいなと思いますね。私もそこに貢献できるように頑張ります。

Q:航空業界を目指す学生さんへ

 私自身も業界調査をする前は航空業界といえばエアラインというイメージでした。しかし実際に仕事をしてみて思うことは、飛行機ひとつ作って飛ばすということは多種多様な職種が関わっていて、そのどれもが欠かすことのできない存在だということです。

 世界中の知恵と技術が集結して、飛行機が作られ安全に飛んでいる、世界の人たちとひとつのものを作ることができるというのが航空業界の一番のやりがいなのかなと思います。

 まずは、航空業界で働きたいという気持ちを持ち続け、さらにたくさん調査や研究をして、自分がやりたいことや目指したいことを明確にしてみてください。自分の携わった成果がエンドユーザーのためになる、ものづくりの仕事ができるのはジャムコの魅力だと思っています。みなさんと一緒に仕事ができる日を待っています。

 

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☆Pick Up 吉井さんがいつも必ず身に着けているもの☆


結婚時に奥さんから贈られた時計がモチベーションアップの小物。時計盤の裏には名前が刻印されている。

 

編集後記

 バレーボール経験者ということで、長身でスポーツマンらしい爽やかな笑顔とハキハキとした語り口が印象的だった吉井さん。
 現在ジャムコのシート部門で働くプロジェクトエンジニアは2名と少数精鋭。ジャムコの新たな挑戦である航空機シート分野のまさに最前線で吉井さんは活躍されています。
 学生へのアドバイスでは、航空業界を支える様々な職種・企業の中でも「ジャムコを選んでもらえれば」と笑顔。ジャムコグループのプロダクトや自らの仕事に対する愛着とプライドを感じた一幕でした。

今回お話をうかがった方

株式会社 ジャムコ
航空機内装品・機器事業本部
技術本部 内装品技術第二部
シート技術グループ
吉井 悠貴さん

jamco

大学院修士課程修了後、2016年に新卒で入社。

就職活動時から希望していたシート部門に配属され、プロジェクトエンジニアとしてA380や777、Ventureのシート導入に携わる。

 

【リフレッシュ方法】

海外出張が多い仕事なので、出張の前後はお寿司と決めています。

また、私も妻も温泉好きなので、ふたりでドライブしながら温泉に行きます。

最近はキャンプの道具も揃えたので、落ち着いたらキャンプデビューしたいですね。

 

【座右の銘】

「人は大きく、己は小さく、心は丸く、腹は立てずに気は長く」

小学校の卒業文集の裏に担任の先生がロゴのようにデザインして書いてくれた言葉です。小学生ながらに印象に残っていたのですが、大人になってみて、その難しさを実感しています。公私ともに、常にこういう人間でありたいなと思っていますね。

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